未来へつながる教育とは 子どもへの「やってあげる」「与えてあげる」「○○させる」の思いは、おとなの「子どもには大切」「子どもの将来を思って」のことから、と言えるかもしれません。しかし、子どもは、おとな主体の生活や保育のために今を生きているのでしょうか。好奇心旺盛な探求者である子どもが、今を充実して生きることそのものが、自分で考え、自分で判断し、自分で行動することのできる、未来へつながる人間を育てることにつながると考えます。子どもの驚き・発見・興味・関心から始まる、学びのプロセスを大切に、子ども同士、保育者、保護者や地域との対話から繰り広げられる総合生活のなかで、子どもは学び、育っていきます。
人権教育:友だちとの遊びや生活、活動を通し、人間を尊重する価値観と社会性,環境教育:今ある資源を工夫し利用する、代替案の思考力と、できることを実践する行動力,地域の文化に関する教育:歴史や文化を知り、問題や現象の背景を理解する思考力,命に関する教育:挑戦を繰り返し小さな危険に遭遇し回避する危険予知能力と、食と命のつながりの理解,表現教育:様々な表現を通し、多面的で総合的なものの見方、多様性を尊重する価値観 未来へつながる教育 他人との関係性 社会との関係性 自然環境との関係性 そして、誰もが主人公… 人、モノとの「かかわり」「つながり」を尊重できる個性を育む 子どもの興味・関心 対話 総合的な生活 保育教諭 実践探求者、実践研究者として 子どもと発見し、驚き、喜び、考える、共に生活する学び手 出典:「レッジョ・エミリアからのおくりもの」~子どもが真ん中にある乳幼児教育~ (森 眞理 フレーベル館 2013)
保育の中で大切にしていること 保育目標
体をいっぱい使って遊ぶたくましい子ども 乳幼児の運動機能の発達は適切な環境の中で適切な刺激が与えられることが、重要といわれています。その刺激は「遊び」を通して与えられるものです。この時期に体力、持久力、筋力など基本的な機能を充分使って培うことは大切だと考えます。この時期に基礎的な運動能力を高める遊びを「おもしろうそうだ」「やってみよう」という気持ちを育てながら、年間を通して実践しております。一人ひとりの発達や興味に応じて、達成感を味わえるように取り組んでいます
大人との信頼関係を基礎に、友達と一緒にいることが楽しいと感じる子ども 乳幼児は信頼できる大人との生活によって、心が安定します。子どもはお父さん、お母さんが大好きで、私たち保育士はどんなに努力してもその代わりとなることはできませんが、たくさんの愛情を注いでいきます。保育園は集団の場であり、友達と遊んだり生活するなかで社会のルールを学んでいきます。その過程では、思い通りにいかない、我慢する、意見が合わず葛藤するなど様々な場面があります。このような経験をすることで、自己を主張する、ときには抑制するといった調節ができるようになります。心の成長は目に見えませんが、子どもの気持ちに共感しながら大切に育てていきます
自我のめばえが豊かにあらわれ、自ら学び、生活する子ども おもに1~2歳にかけて自我が芽生えます。好奇心が育ち、自分のやりたいことに何でも挑戦します。また、何でも「いや」と言ったり自己主張が強くなりますが、この時期が、今後の発達にとって最も大切な時期であると考えます。自我が大事に育まれ、一人の人間として尊重されるという経験が、のちに、自分で考え、自分で決定し、自分で行動するという「自律」へとつながります
イメージをふくらませ、遊び込める子ども 普段の生活のなかで外からの刺激から子どもが感じたことを再現することは自分の生きている世界に興味を持ち、その子なりに理解していく大切な過程です。遊びを通して子どもが自分を表現し、人とのかかわりを深めていくことは大切だと考えます。表現の仕方は一人ひとり違いますが、それぞれのやり方を認め、友達と楽しみが共有できるよう取り組んでいきます